12月に生死を分ける病気から生還した義父でしたが、
今月10日に又別の病気で手術を受け、
今は麻酔をかけられた状態のままでいます。
真っ白な病室で意識なく眠る義父を見舞うのはとても辛いことです。
その気持ちを抱えながら、40分かけて帰途につきます。
これから書く事は、帰途に運転しながら思い出したことです。
4年前、私の父に治らないガンがわかったとき、
私は毎日のように実家に向かいました。
ちょうど今の季節で、
京都までの道は雪が多くてうんざりしました。
ある日、京都からの帰り
京都市と大津市の境目にある途中越えという長い登り坂で
とても怖い目に遭いました。
その日もとても寒い日でとても細かい雪が降っていました。
私が新雪を踏みながらそろそろとその坂を運転していると
強い風が急に吹きました。
風は、両脇の山に植えられた杉や檜から粉雪を一斉に吹き飛ばし、
その瞬間に私を真っ白な世界に閉じ込めてしまいました。
私は、不透明な白の絵の具の中に入り込んでしまった
そんな恐怖に襲われたのです。
対向車のヘッドライトすら見えない中、
スリップを避けるため止まる訳にもいかず、
かといって脱輪するのもこわい、
前に進めばダンプカーとぶつかるかもしれない
どうすればいいのかわからない時間がどれだけ続いたか・・・
実際は5分も無かったのかもしれませんが
その時の時間は途方も無く長い気がしました。
その間、「こんなところで死んでたまるか。」と叫んでいたと思います。
やがて木々の粉雪が落ちきって視界が晴れたとき
まず、ものが見える喜びが沸き上がり、
その次に命拾いした安堵感でいっぱいになりました。
今でもありありとその時の感情を思い出すことができます。
真っ白な世界、
それはとても怖い世界です。
闇の世界とは違う恐怖感を感じます。
私がこのことを思い出したのは
今現在義父が入院しているICUが余りにも白い空間だからです。
白い空間の中で寝ている義父は
何か聞こえているのだろうか、
ひょっとしたら看護士さん達や医師の声が
遠いさざめきのように聞こえているのだろうか、
白い部屋は義父の瞼に明るい光をもたらしているのだろうかと
いろいろ考えます。
白い部屋に
春の明るい日差しを感じてくれたら
或いは雪片がちらつく庭を見ていてくれたら
義父の快癒する力になるかもしれない。
そんな希望を持って、
気管挿管が抜かれる日を待つ毎日が過ぎていきます。
気しんどい話しを最後まで読んでいただきありがとうございました。
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と思っておりましたが、心配ごとがおありだったのですね・・・
お義父様、早く回復されることを祈ります。
それにしても白の世界に閉じ込められたお話が怖いですね~
雪道などは無縁な私ですが、何年も前珍しく雪が積もった年がありました。
気を付けて運転したつもりだったのですけど、スリップしてしまい小さな川ではありましたが車が半分川の上な状態になって怖い思いをしました。
雪のないとこに住んでて良かった・・・・正直な感想です。
それにしても九死に一生って感じの体験でしたね~
ほんとご無事で何よりでした。
ちなみに六花ちゃんって犬が昔うちにいました(^^ゞ